「ネムリユスリカ」「夏の祈り」のドキュメンタリー作家・坂口香津美が実母にカメラを向け、愛する者の喪失や自らの老いという現実に直面した1人の女性の生き方をとらえたドキュメンタリー。坂口監督の78歳の母すちえさんは長女と夫を続けて亡くしたために精神的な混乱に陥り、大量の精神安定剤に頼る生活を続けていた。その状況を知ったすちえさんの妹マリ子さんは、姉を立ち直らせるべく故郷の鹿児島県種子島に連れて帰る。すちえさんと彼女をめぐる人々の4年間にわたる葛藤の日々と、絶望からの再生をありのままに映し出す。

2014年製作/93分/日本
配給:スーパーサウルス

引用:映画.com https://eiga.com/movie/81118/

配給元のスーパーサウルスの公式サイトは→ https://supersaurus.wixsite.com/supersaurus

坂口 香津美 監督のプロフィール
https://supersaurus.wixsite.com/supersaurus/katsumi-sakaguchi

映画「抱擁」の内容をもっと詳しく知りたいかたは、
アイデアニュースの下記ページを読んでみてください。
坂口監督、「絶望のなかで出会うものにこそ豊かな学びがある」

 



 

認知症の祖母が独居になった時の親族の対応など

当サイトの管理人
奈良県にお住まいの30代女性"はるさん"は、孫の世代としてひとり暮らしとなった祖母の介護などにかかわったそうで、その時のことを書いてもらいました。
認知症の症状がある祖母が、急に独居することになってしまったので、手伝ったことや実際に困ったこと、どんな風に解決したかなどをまとめてます。

自己管理できない祖母が独居老人となった

祖母(80代)は、叔父(祖母の息子50代)と二人で生活していて、お金や手続きなどはすべて叔父が管理していたのですが、叔父が急死してしまいました。

わたしの父母はもう亡くなっていたので、叔父が倒れたときもどうしたらいい?!とわたしに電話がありました。

自己管理ができない残された祖母は、何をどうしたらいいのか分からない状態になっていたのです。

私を含めて、親戚の誰かががすぐに引き受けられる状況でもありません。

祖母はご飯を買いに行って食べることはできたので、とりあえず、しばらく独居という形を取りながら、親戚の中でできることからやっていこうという話になりました。

独居老人の事情はケースバイケースで全然違うかと思います。
こんなこともあるんだなと、どなたかの参考になればうれしいです。

一緒に暮らしていた息子が急死で何もわからない状態に

叔父はホントに急死で、何も引き継げない・何も聞けない状態でした。

叔父もまさか自分が先に亡くなるとは思っていなかったでしょう。

祖母の認知症が始まっていたこともありますが、すべて自分で管理して祖母には何も話していませんでした。

もちろんエンディングノートのようなものもありません。

家にお金がいくらあるのかもわからないまま祖母は残されてしまいました。

光熱費や食費なども把握していません。

毎月いくら使っているのかもわからないし、これからいくら必要なのかもサッパリわからない状態。

祖母はただただ「これからお金どうしよう?」という心配をするばかりでした。

祖母に聞いても何もわからないので必要なものを探すために

生活の管理に全くノータッチだった祖母に聞いてもわからないし、もう祖母は自分で現状をどうにもできない状態です。

息子が亡くなった悲しみによる精神的なこともありますが、それを除いてもすでに認知症が始まっていたの祖母には、「これは何か・必要なのか・いらないものなのか・どうしたらいいか」ということが判断できません。

残っているものから判断するしかないため、大量に残された物の中から必要なものを探さないといけません。

わたしともう一人の親戚で、急いで叔父の遺品整理を始めました。

遺品整理で確認したことと やったこと

  • 貴重品→こちらで管理
  • 保険
  • カード→解約
  • 引き落とし→残高の確認
  • 通販の定期購入→解約
  • 携帯→解約

急ぎの支払いなどがあれば困りますし、生活費の引き落としの通帳にお金が入っているかもわかりません。

通帳や印鑑の場所すらわからないので、大事なものが入ってそうな場所を片っ端から分別していきました。

まず大量のゴミ どう処分したか

家の物の量は人によりますが、叔父はめちゃくちゃ買い物する人だったのですごいゴミの量になりました。

私は、子どもが幼稚園に通っていたため、朝から晩まで取り掛かるというわけにもいかず、一回に袋3つ4つ出る程度でした。

祖母はゴミ捨て場にゴミを持って行くことはできたので、何月何日の”燃えるゴミ”・”プラスチック”とゴミ袋に貼り付けておき、ゴミの日に祖母に捨ててもらいました。

 

祖母が捨てられない大きなゴミは、ゴミ処理施設に持ち込みました。自治体によっては処分の費用がかかります。

貴重品が出てくる

どんどん仕分けを進めると通帳などが出てきます。

財布や保険証がなかなか見つからないな~と困っていたら、カバンや服のポケットから見つかりました。

貴重品はこちらで管理しましたが、都度は難しいので、1か月や1週間分のお金を渡すことにしました

 

保険も確認が必要です

死亡保険がある場合は手続きしましょう

うちは火災保険がずっと引っ越し当初の内容のままになってました

 

携帯は死亡診断書があればすぐに解約できます

必要なものがないかを確認してから解約しましょう

本人じゃないと使えないというものもあるかと思いますが、残高やポイントが残っていて使える場合は早めに使ってしまいましょう

 

通帳などが見つからなくても相続人であれば口座の照会もできます

手続きなどが必要な場合は本人を連れて行かないといけないので早めに行動した方がいいです。

話を聞ける(聞いてふんふんというだけで内容は理解できてない)名前が言える書ける

少しボケが始まってる・認知症がある場合、環境の変化で一気に進行する可能性があります。

解約が必要なもの

  • カード
  • 定期便
  • スマホ

新聞をとっている方もいるかと思います。自分で読まないし取りに行かない場合は解約していいかと思いますが、自分でポストに取りに行く習慣がある場合は、すぐに解約しなくてもいいかな?と思います。毎日のルーティーンを崩さない方がいいというのもあります。

また、ポストに新聞がたくさん残っていることで、部屋でこけていて動けなくなっているなど万が一の場合に近所の方に見つけてもらいやすいです。

ポットなど見守りサービスを利用するのがおすすめです。

通販の定期購入

ある日行ったらもう飲んでないサプリが届いていたので即解約しました。

通販は「はいはいいつものね~」と受け取って片付けてしまったら気付きません。

必要であればそのままでいいかと思いますが、実は飲んでないサプリだとか、飲んでるけど1人分でいいというような場合は変更が必要です。

 

荷物が届いた場合は、定期便でないかを確認しましょう!

クレジットカード

2枚持っていたので即解約しました

電話して亡くなったので解約したいと伝え、名前やカード番号などを伝えると解約できました。

年会費がかかるものもあるので早い方がいいですね。

スマートフォン

スマートフォンはこちらの手続きをおすすめします。

・いらないスマートフォンの解約

・支払い方法の変更

・名義の変更

叔父のスマートフォンは私が解約に行きました。

死亡届のコピーを持参したらすぐ解約できました。

 

大体支払い方法は口座引き落としかと思うのですが、自分で管理できるように変更しておくと安心です。

 

また祖母は携帯電話を使っていたので、名義を私に変更しておきました。

これは認知症が悪化したときや、解約を忘れたまま施設に入った際に、

本人名義のままだと解約手続きがややこしくなるためです。

おわりに

倒れたという連絡が来てからはものすごく多忙だったので、抜けていることもありますが、何かと面倒でした…

祖母の場合は認知症であることと、叔父が自分の方が長生きだと考えていただだろうから何もかも詳細不明で、家にあるものから判断でした。

ひょっとしたらレンタルスペースやガレージなど、どこかに隠していたものがまだ眠っているかも。

 

叔父の件で大変だったのですぐにエンディングノートを購入しました。

突然死は誰にでもあり得ることなので、準備は大切です。

 


独居老人になってからのトラブル例。こんなことが現実に起こった

独居老人・認知症の祖母にこんなことがあったというトラブルと、対処した方法をまとめています。

  • 出先に忘れ物。
  • お金がなくなる。ほんとにすごい勢いで。
  • 謎の定期購入。
  • 隣人家族にたこやきを奢る。
  • 同じ内容の電話が何度もかかってくる。
  • 払い込み用紙が椅子の下から出てくる。

そんなことあるんか…くらいに見て行ってくださいね。

忘れものが多い

杖を忘れてくる。まーしょっちゅう忘れる。

名前と電話番号を書いてつけてありましたがまあ忘れます。

杖を持って行くことを忘れることもあり、出先で杖がないないということも。

 

カバンは肩からかける物を使用していたので置いてくることはありませんでしたが、ハンドバッグなら確実になくなっていたかと。

携帯も忘れる。

家電は置かずに携帯電話を使用していましたが、持って出るのをまー忘れる。

充電しっぱなしです。

忘れ物対策として、物には名前と電話番号を書いておきました。連絡が来ず忘れ物として預かられている場合も、名前があれば引き取りやすいです。

お金がなくなる

いくら渡してもすぐなくなる。

通帳を渡すのは危険なので、貴重品はすべて親戚が管理していました。

 

光熱費などは別なので食費と消耗品くらいなのですが、お金がなぜかすぐになくなりました。

聞いてもわからないの一点張り。(もしかしたら覚えてわざと忘れたフリをしていたときもあったかも)

都会じゃないので使うところも少ないし、”1か月分ね。”と渡したお金が1週間でなくなるのは謎でした。

お金がすぐになくなってしまう対策として、お金は月1回から、週1回程度にして少額で渡すように変更しました。

勝手に通販で注文していたことも。

勝手に通販で注文していたこともありました。テレビの通販で見かけて電話して頼んだようなのですが、健康食品を定期購入していました。

テレビを見て電話をかけるというのはできるんだな…と妙に感心しました。定期購入というのがタチが悪いです。

もちろんキャンセルはできず、購入分はお支払いでした。

特別な買い物はやっかい

叔父が亡くなったので位牌が必要だったのですが、祖母一人で行ったらやたらでかい位牌を注文してきました。

認知症は悪化する前ですね。お店で様子はおかしいとわかりそうなもんですが…

まあお店側からしたらお金さえ払ってもらえばなんでもいいですよね。

隣人に奢る。

とある日。

近所の人とすれ違ったときに、いつもありがとうございますと言われ何のことやろう?と思って聞いてみると、その家の子供を連れてたこやきを買いに行き、その家族の分も全部購入していたそう。

そらお金なくなるわ…となった出来事でした。知らない人にはついて行かないでしょうが、隣の家のばあちゃんなら断らないですよね…断りにくいし。子どもは悪くないですからね。逆に怒られていないかと心配で申し訳ない。

郵便がやっかい

「手続きが必要です」「いつまでに支払ってください」という類の郵便がやっかいでした。

手続きが必要なそうな書類が届いたときに、「なんかこんなことが書いてあって、何かしないといけないみたいなんだけど、でもよくわからないのよ」という感じのもっと長いバージョンで祖母から電話があり、”今度わたしが電話するから置いといて”というと、「そうなの、わかったわ」と。納得したというか自分は何もしなくていいんだとわかると落ち着くのですが、すぐ忘れてしまうので言ったそばからまた電話がかかってきて同じ説明を…とエンドレスです。

一度や二度じゃないため、はちゃめちゃにストレス。

 

”ほっといていいんだ”と一回なっても、しばらくすると忘れてしまうんですよね。目につかないところにしまってくれたらいいのですが、また目についてこの紙何やろう?何か色々書いてあるけどわからん…となってまたパニックになります。

わからないから隠したパターンはさらにやっかい。

何度も同じやり取りも困りますが、さらに困るのはわからん…とそのまましまっておくパターン。何の請求か忘れましたが、椅子の下から払い込み用紙が出てきたことがあります。

請求書は一番隠したらあかんやつ…

本人はわからないからここに置いておいたと話していました。(おそらくそこに置いたのも覚えていない)

家に届く郵便物は、ポストからとったらそのまま開封せず置いといてもらう仕組みを作るのがいいですね。宛先を変更できるなら、自分のところに届くように変更した方が楽です。

迷子になる

認知症が悪化してからは帰って来れなくなりましたね。病院に認知症の方はいますが元の姿を知らないことが多いですからね。

身近な人間なので、本当に人間こんな風になるんだな…というのをより感じました。

本人はいつもと同じつもりで出かけても、帰って来れなくなります。

本人の名前や、家族の連絡先を書いたカードなんかをバッグに入れておきました。

これを持って出かけてくれというのは到底無理なので、いつも持って歩くものに入れるのがいいです。

持ち物が定まらない方は、靴にGPSを取り付けるのが一番確実かと思います。

独居老人になってからのトラブル例まとめ

祖母が独居老人になってから起こったトラブルの一例でした。

服が増えてるとか他にも色々ありましたが忘れてしまいましたね…

事前対策も大事なのですが、想定外のことも起こります。日々の出来事に対して一つずつ対処して、再発防止または再発したときの対策を行うという感じでした。

いろんなケースがあるかと思いますが、祖母のトラブルが”こんなこともあるんだな”と参考になれば幸いです。


独居老人がいる家族におすすめのサービスやグッズ

独居老人がいる家族に、おすすめのサービスやグッズをご紹介します。

突然独居老人になった祖母。

認知症はあるものの軽度だったので、しばらくは家で今まで通りに生活していました。

一人で生活できるようにサービスやグッズの、利用したものや検討したものをまとめています。

祖母が独居老人になって利用したサービス

祖母は独居開始後、しばらくしてから介護サービスを利用しました。

祖母が利用したのは、

  • デイサービス
  • ショートステイ

です。

デイサービスは車で送迎してくれて、昼ご飯付き入浴介助付きのサービスです。

祖母は友人や近所の仲間も少なく、他の人と関わる機会があまりない人だったのでデイサービスは良い刺激になっていたようです。

検討したけど利用しなかったサービス

祖母が独居になってから、利用を検討したサービスはもっとありますよ。

  • 訪問介護
  • お弁当宅配サービス
  • 手すりつけたり
  • 見守りサービス

訪問介護も検討しましたが、家に来られるのを嫌がったので利用しませんでした。

お弁当の宅配は祖母が好き嫌いが多く、昼間デイサービスでしっかり食べるというので、デイサービスに行かない日と朝夕は好きなものを食べてました。

独居老人がいる家族におすすめの見守りサービス

家族の状況によっては、見守りサービスも役立ちますよ。

最近は家族見守りサービスも

  • 訪問型
  • センサー型
  • カメラ型
  • オート電話
  • オートメール型
  • 会話型(電話型)
  • 宅配型
  • 緊急時通報型

と種類がいろいろあるんですよ。それぞれ良し悪しがあるので、ご家族の状態によってどのサービスが向いているか検討が必要です。

検討したサービスで安否確認以外にも使えるな~と思ったのが、大阪ガスの「ツナガルde警報器 スマぴこ」です。多機能警報器で、便利な機能がついていますよ。詳細はこちらの公式サイトからどうぞ。

スマぴこはセンサー型の見守りサービスです。

見守り以外に便利だなと思った機能は

  • 暑いと教えてくれる
  • リマインダーでゴミの日など定期的な予定を教えてくれる

です。

一緒にいればエアコンをつけてないとかちょっと暑そうだなとかすぐにわかりますが、離れているとわかりませんよね。部屋暑いよとお知らせしてもらえると助かります。

リマインダー機能も、ゴミや病院といった予定を知らせてくれるのに便利ですよね。

自分でできるけどついつい忘れがちがったり、曜日の感覚がないときには役に立ちますよ。

 

遠方の方や、近いけど忙しくて連絡をとることや頻回に様子を見に行くのは難しいという場合におすすめです。

見守りサービスのように活用できるサービスもある

新聞がポストに溜まっていて、様子がおかしいと気づかれるパターンもありますよね。見守りサービスというわけではないですが、安否の確認にはなりますよ。

  • 新聞
  • 牛乳の宅配
  • 宅配のお弁当

独居になってから新しく新聞や牛乳の宅配を利用するのは難しいかと思うので、以前からサービスを利用している方向けです。

新聞や牛乳は溜まっていたら知らせていただくようにお願いする必要がありますが、ご近所さんや牛乳配達の方が協力してくれたら安否確認になりますよ。

 

お弁当の宅配は決まった日時に受けとることができるならおすすめですよ。減塩のお弁当なんかもあるので、祖母のような毎日コンビニ弁当に菓子パンという方にはぴったりですね。

置き配でも、牛乳と同じように前回分が残っていれば教えてほしいと伝えておけば安否確認になるかと。配達員さんのご協力があればですがね。

独居老人になった祖母に検討したグッズ

独居老人になった祖母に検討したグッズ

  • GPSがつけられる靴

独居後しばらくすると認知症が進んでしまい、家に帰って来れなくなることがありました。見つけてくれた方から連絡があり親戚が迎えに行くという感じでした。

居場所がわからないと困るのでGPSの利用を検討しました。しかし祖母は足が悪く、遠方に行くことはないので購入には至らず。

めちゃくちゃ元気で遠方まで出かけてしまうという方にはおすすめです。

 

靴?携帯電話にGPSついてるし、それかカバンに入れたら?となる方もいますよね。

でも持ち物だと持って出なかったときやどこかに置き忘れたといったときに全く活用しないので、必ず履く靴がおすすめですよ。

こんな感じで靴の中に収納できるので、落ちてしまう心配もないですよ。

独居老人がいる家族におすすめのサービスやグッズまとめ

祖母の独居開始後にこんなのどうかな~と調べたサービスやグッズをご紹介しました。

祖母のときは特にデイサービスにお世話になりましたよ。要介護や要支援が取れた方は介護保険を利用して介護サービスが利用できるので、ぜひご活用くださいね。くださいね。